人間の体にとって欠かせない成分である塩分。
塩分はわたしたちの体の中でどんな働きをしているか知っていますか?
なぜ必要なの?塩分が足りなくなるとどうなるの?
塩分と体の関係について説明します。
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酸素や栄養分を体の細胞に運ぶ
人間の体重の2/3は、血液や消化液・リンパ液などの体液=水分です。塩分はこの体液に多く含まれていて、全身の細胞に酸素や栄養分を運ぶ役割をしています。
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栄養を吸収する
塩の成分であるナトリウムイオンは、体の中で栄養素の吸収を助け、体の細胞の入れ替わりがスムーズにいくように働いています。塩分が足りないと、この入れ替わりがうまくいかず、例えば風邪をひきやすくなるなど、体調にも影響します。
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消化を助ける
食べ物が体の中に入ると、胃から胃酸という消化液が出て、食べ物が分解されて体に取り込まれます。塩分はこの消化液を作るもとにもなるのです。胃酸は消化を助けたり、殺菌をするなどの働きをしています。
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脳に情報を伝えて体を動かす
体の中にある神経細胞は、脳に刺激を伝えたり、体を動かすよう筋肉に命令を出しています。そんなときにも必要なのが、塩の成分であるナトリウムイオン。塩分が不足すると、脳への伝達がうまくいかなくなり、体調不良などがおきます。
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体内の働きを調整する
このように、塩分は命にかかわる大切な働きを調整しています。塩分は体内のいろいろな器官の働きを守り、それぞれがスムーズに動くように保つことを助けてくれます。塩分が足りないと、体のあちこちが故障する原因になります。
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人の体にはどのくらい
塩がふくまれているの?1Lの血液中には約9gの塩分がふくまれています。おとな、子どものそれぞれの体にふくまれる塩分量の目安は、図のとおりです。塩分は骨にもふくまれていて、血液中の塩分が少なくなると骨から溶け出し、体液の塩分をおぎなったりします。
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体の塩分が足りなくなるとどうなるの?
体内の塩分は腎臓の働きによって一定に保たれています。たくさん汗をかいて、体内の塩分が足りなくなると、脱水症状をおこし、口がかわいたり、疲れやすくなったり、はき気や頭痛、食欲がなくなる、クラクラする、体がだるいなど、いろいろな不調があらわれます。
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塩分は1年をとおして必要なの?
脱水症状は、たくさんの汗をかく夏におこりやすいと思われがちですが、実は秋や冬にもおこることがあると言われています。秋冬は空気が乾燥しているため、体からも水分がうばわれやすく、自分では気づかないうちに脱水症状になっている場合もあるのです。塩分は1年をとおして必要だということを覚えておきましょう。
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